【Break Time】東京再発見-浅草-
私は東京生まれ、半東京育ちだ。
東京は日毎めまぐるしく進化している。
とある日のデート。この日訪れたのは浅草。ーーー
目的の場所への道中「電氣ブラン」の文字に惹かれふらりと神谷バーに入る。年齢層高めに埋め尽くされた席にため息をつくが、入り口近くに立ち飲みカウンタースペースを見つけここぞとばかりに寄りかかる。初めて飲んだ電氣ブランからは、往年の大衆娯楽の残影をひしひしと感じた。
ちどり足早に店を出ると辿り着いた目的地は
「浅草ロック座」
なんの気まぐれか女の私がSNSでこれの存在を知り、ストリップという言葉に尻込みしながらも、なぜか興味を惹かれ続けていた。
彼に女裸体をお金払ってまで見に行くお供をさせる彼女が、どこにあろうか。ーーー
幸運にも私たちは価値観が合った。固定観念が薄く大した偏見もなく、この世の大抵のものは受け入れられること。好奇心旺盛なこと。
到着時はすでに3幕程度まで始まっていた。入場料はそう安くはないものであった。連れてきて申し訳ないからと財布を出す私に、彼はそっと静止してくれる。
稀有なことに往年流行りで私も好きな曲、「恋のサバイバル」が会場外まで鳴り響いていた。
ーーー観劇を終えて、私たちは絶対的な感動を覚えていた。エロ、というより、美だ。芸術だ。中世ヨーロッパの彫刻でも見ているかのような、圧倒的な肉体美に、踊り子の人生を賭けているような気概が彩りを加えている。
彼は感動のあまり心付けを残していた。私も、納得だ。
良いものを見た。是非、勧めたい。
「浅草ロック座」