インドに呼ばれたと思った女のインド紀プロローグ
今週のお題「行きたい国・行った国」
はじめまして。
どうかごゆるりとお付き合いください。
実は今年2月某日、10日間ほど彼とインド旅行に行っていた。ほぼアジア圏ばかり数カ国旅行してきた私が、このコロナ禍暁にて数年ぶりに海外へ。しかも、(たまたまタイミングが重なっただけだが)30歳そこそこのカップルが両者とも1月で仕事を辞めての渡印。私に限っては、この旅行を終えたらその先の人生全く未定という状態であった。端から見たら…言うまでもない。拗らせ女の奇行と思われるのが相場であろう。なんだか恥ずかしくて親にも言い出せずにいた。
「なぜインド」ーーー
なぜか…と問われると、なんとなくが最適解。ネットで「なぜかインドに行きたい」など明確すぎるワードで自分の気持ちを肯定してくれる懐を探す。やがて見つける「三島由紀夫」「ビートルズ」ーーー自分を肯定するには十分すぎる背中を持った人々のインド逸話が私を奮い立たせてくれた。虎の皮を借りた私はすっかりこの渡印への気持ちは大事にすべきと盲信していた。
記事ではニュアンス違えど皆同じようなことを言っていた。
「インドに呼ばれる」ーーーああそれよそれなんよ。私もそんな感じ。
渡印までの準備として「深夜特急」や「ガンジス河でバタフライ」、「地球の歩き方」なんて読み漁る。なんて洒落た自分なんだろうなんて、虎の皮に香水でも振った気分でいた。
この時は知る由もない。
インドではこれらは日本人旅行者を釣り上げるためのここ数十年更新されることも無いほどの典型的な単語であり、そこらじゅうのぼったくりインドニキ達が口にする、もはや耳タコワードであったと。ーーー
続く